【WCS2023_Day1突破構築】トルネロス+ヒードラン軸手動晴れビートダウン

1.はじめに

ひろきんぐです。WCS2023お疲れ様でした。今回は僕がWCS2023で使用し、見事Day1を5勝1敗で突破できた構築を紹介します。
リバティノート版:https://liberty-note.com/2023/08/22/wcs2023-hiroking/

本構築は目標をDay1突破を主眼に置いていたため、Day2の上位勢の環境には合っていなかった非勝ち馬構築ではあると感じていますが、Day1突破できた記念に、記事として残しておこうと思います。
今回もJCSから引き続きいけちゃん(@ike_poke)にサポートしてもらいました。いつも本当にありがとう!
あんまりいつものひろきんぐさんっぽい構築じゃないって思ったそこのあなた、僕が一番そう思います!!こだわりアイテム+とつげきチョッキ盛りだくさんじゃない上に、トルネロスを使ってたり素早さ振りが多かったりで僕が一番驚いています!!!

この構築の主な実績は以下の通りです(いずれもBO3オープンシート形式)。
・ぽちゃオフ:ベスト8(予選4-1、決勝トーナメント1-1)
・てるチャレオンライン#15:ベスト32(ひろきんぐ、予選7-1、決勝トーナメント0-1)
              ベスト16(いけちゃん、予選6-2、決勝トーナメント1-1)
・WCS2023(Day1):予選突破!!(5-1(〇〇×〇〇〇))
・WCS2023(Day2):予選落ち(3-4、74位(××〇×〇×〇))

(本名登録漢字でやったら、選手のあれが漢字で表示されてるの笑った ローマ字にしたかったのでめっちゃ恥ずかしかった…
まあでも、自分が探しやすかったという意味ではよかったし、ネタにもなったからいいっちゃいいんだけど。。)



2.構築経緯

(1)軸の選定

①レギュレーションDの強い要素の整理

6月のJCS後、8月11日のWCSまで日がほとんどなく、レギュレーションDの構築に関して、まとまった情報があまり公開されておらず、環境も固まり切っていなかったように思います。そのため、相手に使われて強い要素をピックアップし、そこに負けないことを出発点とすることにしました。レギュレーションDを勝てないながらに取り組んだ間に感じたポイントは以下の通りです。
【環境対策面】
A.ウーラオス(特に連撃)に隙を見せるポケモンは極力採用をしない
…言わずもがなですね。このポケモンが環境の中心であることは明白なので、水や格闘の一貫は作らないことが構築のポイントの一つと感じました。残念ながら僕の相棒のディンルーもこの憎きウーラオスのせいで諦めざるを得なくなりました。。
B.フェアリー半減枠(ハバタクカミ対策)が乏しい
…レギュレーションCの時と異なり、ディンルーの減少でハバタクカミがレギュレーションC以上に活き活きしている印象を受けました。環境に存在する鋼枠、炎枠を見てみると、かなり渋いです。(毒枠としてモロバレルはいますが、僕が使うのは下手なので、あまりフェアリー半減候補としてはみなしていませんでした)
つまり、鋼か炎タイプで強いポケモンを開拓することが重要なポイントだと感じました。
鋼:ヌメルゴンはフェアリー等倍であり役割遂行が難しい、サーフゴーはシャドーボールが弱点を突かれてしまうためハバタクカミ対策とは言い難い、アーマーガアは数値が足りない…
炎:レギュレーションCでまともな炎枠であったイーユイはフェアリー等倍、追加されたヒスイウインディピーキーな性能で扱いにくい…

【攻撃面(その他気付き)】
C.後発に置くきあいのタスキもち悪タイプ(ウーラオス、パオジアン)が強い
色々なボツ構築を試していく中で、後発に置く悪タイプのきあいのタスキポケモンがいるときは、構築の安定感があると感じました。悪タイプの通りがいい点、きあいのタスキを盾に2回動けると先発の狩り残しを綺麗にスイープできる点あたりが理由ですね。感覚的には、まもるを貫通できるウーラオスを採用した方がより確実な詰め筋になって強い、と感じました。

D.ハバタクカミは入れ得

B.の裏返しにはなりますが、自分でフェアリーの一貫を切るのが難しいのであれば、自分も使い得なポケモンです。ハバタクカミは持ち前の素早さも相まって、スイープ要員としては最適です。また、相変わらず化け物クラスであるカイリューしんそくの一貫を自然と切れる点もとても偉い。このポケモンは改めて採用し得であると感じました。

A、Bを踏まえると、ウーラオスに隙を見せない、ハバタクカミに強いポケモンを軸に採用したいです。紆余曲折ありましたが、今回構築の軸として選択をしたのは「ヒードラン+にほんばれ」でした。ヒードランは、鋼タイプかつ炎タイプで、環境に少ないタイプの高種族値枠である唯一無二なポケモンです。ヒードランを採用するだけだと、格闘タイプの一貫が残っており、A.の要素を満たせていません。世間一般でよく使われている草テラスタルは相手の悪ウーラオスまで込み込みで考えると、あまり得策ではないと判断(スカーフ水ウーラオスのとんぼがえりも弱点を突かれて安定しないですし)。そこで、格闘、悪、虫を半減できるフェアリーテラスを採用することにしました。格闘+悪の範囲はテラスタルで半減、水タイプは手動にほんばれで対策とし、これを構築の軸とすることを決めました。

②にほんばれ要員の選定

続いて、にほんばれ要員の選定です。いたずらごころで数値の高いにほんばれ要員として、ボルトロストルネロスのどちらかを選択することにしました。最初は、相手のハバタクカミへのかいでんぱを評価していたことと、トルネロスほど強いメタに引っかからない可能性が高い点を踏まえ、ボルトロスを採用したいと思っていました。しかし、ボルトロスは相手の地面(特にランドロス)と対面した際に渋い点でんじはによるすばやさ操作が追いついていない試合が多かった点から、トルネロスを採用することになりました。トルネロスは、構築単位で苦手な草テラスを切ってくるヒードランに対し、こがらしあらしで咎めることができる点も噛み合っています。正直、僕がトルネロスを使うのはほんまか??という気持ちもすごくあったので、ボルトロスと迷っていた時期もありましたが、最終的にはおいかぜの有無が大きく、トルネロスヒードランでWCSは心中しようと覚悟を決めました。
特殊範囲打点の押し付けは、剣盾の頃から僕が得意としている戦術であるため、その点でも間違いはないのかなと思いました。

(2)構築のスイーパー

①スイーパーのコンセプト

次に、構築のスイーパーを選定していきます。トルネロスを採用し、おいかぜ要素を取り入れたため、トリックルーム要素というより、中速〜高速ポケモンで固めていきたいです。攻撃面の気付きで触れている、C.とD.の要素をお試しで嵌め込んだところ、基本選出として対応の幅はとても広いと感じたので、ハバタクカミ@こだわりメガネきあいのタスキ持ちの悪タイプは採用を確定しました。ハバタクカミの特性を手動晴れで活かすことができるため、構築コンセプトともかなり噛み合っています。

②悪ウーラオス or パオジアン

悪ウーラオスかパオジアンを採用するか、ですが、どちらにもメリットがあります。
パオジアンを採用することによるメリットは、素の素早さが高く追い風が切れても苦しくならない点、環境に氷技の一貫性が非常に高い点です。
一方、ウーラオスにおいてはまもる貫通という最強の個性があります。どちらを採用するかは悩みましたが、まもる貫通できるウーラオスは水悪問わず採用できるのであれば、詰め筋として非常に優秀なので採用した方が良いと感じました。一番最初は流行に乗っかりスカーフウーラオス(水)+パオジアンの採用も考えましたが、ヒードラン、ハバタクカミがにほんばれで活躍できる以上、晴れ依存度はそこそこ高く、天候が晴れている場面が多いことが想像できます。そのため、水ウーラオスの採用は本構築ではアンチシナジーであると判断し、きあいのタスキ枠は悪ウーラオスに譲ることになりました。(個人的には水ウーラオスより悪ウーラオスの方が天候に左右されず火力を出せて強いと思っていたので、悪ウーラオスが綺麗に入ってきたことは良かったかなと。)
余談ですが、手動雨構築はとても重いので、水ウーラオスを採用して相手の雨対策をする、という考え方もあったかもしれませんね。。

【構築ver0.1 基本コンセプト】

トルネロス
おいかぜ、にほんばれ、こがらしあらし

ヒードラン、テラスタイプ:フェアリー

まもる、ねっぷう、だいちのちから

ハバタクカミ@こだわりメガネ
ムーンフォースマジカルシャインシャドーボール

ウーラオス(悪)きあいのタスキ
みきり、ふいうち、インファイト、あんこくきょうだ

(3)補完枠の考察

基本選出の4枠が確定し、補完枠を選定します。本来であれば、環境にいる構築に対してメタを張っていく組み方をしていますが、現状環境が固まっておらず、メタ対象の選定も難しいと感じていました。そのため、環境にメタを張っていくというよりは、強い勝ち筋をもう一つ構築に投入する、という考え方で組もうと考えました。(トルネロスヒードランが2匹で完結しているので、ラスト2枠を2枠で完結しているポケモンを採用すればいいじゃん!というノリです。)
今まで僕が結果を出してきた構築は、基本トリックルームが採用されています。僕といえばトリックルーム、という思いもあり、ラスト2枠でスイッチトリパ要素をお試しで組み込むことにしました。トリックルーマーはクレセリアを迷うことなく採用。クレセドランの並びでシナジーもあり綺麗です。次に考えるべきは、トリルアタッカーを誰にするか(今の環境下においては、ガチグマかそれ以外か)です。ガチグマはトリックルームを張れない時の無力感、かえんだまが発動するまでの1ターンがかなり渋い点、メタの対象となり動きづらい点が気になり、採用はしたくないのが本音でしたが、最終的にはガチグマを採用しました。ガチグマ以外に火力があるポケモンの開拓ができなかった点、トリックルームを張り合った際の相手のガチグマを止める手段が思いつかなかった点あたりが理由です。構築にクレセリア+ガチグマをピン刺しすることで、相手に選出圧力をかけられる点、クレセリア+ガチグマ対策で選出されることの多い「サーフゴー+ゴリランダー」や「イーユイ+ハバタクカミ」をトルネロスヒードランで返り討ちにできる点など、シナジー自体はないことはなかったと思いますが、この2枠はもう少し綺麗なものを煮詰めたかったというのが本音です。
煮詰め切れなかった後悔はあるものの、環境に存在するおいかぜパーティにトリックルーム要素も組み込まれている構築は環境にあまり存在しておらず、相手も初見での対処が難しいのではないか、という点でよかったです。また、ヒードランを軸としている以上おいかぜミラーでは上から叩かれて苦しい戦いを強いられることが想像できるため、そこに切り返すことのできるトリックルーム要素は合ってよかったなと思います。

以上をまとめると、構築の基本的な選出と動きは以下の通りになります。
①初手:トルネロスヒードラン、後発:ハバタクカミ+ウーラオスのビートダウン
②初手:トルネロスヒードラン、後発:クレセリア+ガチグマのスイッチ展開

【構築ver0.2 メンツの確定】

トルネロス
おいかぜ、にほんばれ、こがらしあらし

ヒードラン、テラスタイプ:フェアリー

まもる、ねっぷう、だいちのちから

ハバタクカミ@こだわりメガネ
ムーンフォースマジカルシャインシャドーボール

ウーラオス(悪)きあいのタスキ
みきり、ふいうち、インファイト、あんこくきょうだ

クレセリアテラスタイプ:フェアリー
トリックルームムーンフォース、サイドチェンジ、みかづきのいのり

ガチグマ@かえんだま
まもる、じしん、からげんき

(4)各ポケモンの深掘り

構築のコンセプトとメンツが固まったので、未確定の要素を固めていきます。

トルネロスヒードランの構成

ヒードランを構築の軸に据えることが決まったため、ヒードランはエースとして火力を出せる構成にしたいです。そのため、いのちのたま型でエースとしました。また、トリックルームを採用したことによりスイッチ展開も見越しているため、すばやさは最低限の103(おいかぜ下で最速135族抜き(ハバタクカミ、パオジアン))とすることにしました。(いのちのたまヒードランを採用することで、かろうじてひろきんぐさんらしさが出てますね)
続いてトルネロスの型ですが、日本のオープンシートBO3の環境で練習する限りでは、135近辺のすばやさの遅いトルネロスが多く見受けられました。WCS本番までの期間が短いことを踏まえると、トルネロスの素早さ合戦はシビアにならないという仮定のもと、S168(最速100族(イーユイ抜き))まで高めて採用することにしました。ここまで高めることで、こだわりスカーフを持たないウーラオスにこがらしあらしを打つ選択肢も生まれ、非常に使いやすかったです。初戦でトルネロスミラーですばやさを確認し(きあいのタスキ型以外はこちらが勝っている前提で動く)、2本目以降の組み立てを行う方針でいくことにしました。すばやさを高めたトルネロスを採用したので、ミラーのあまごいに対しては、ちょうはつで対策が必要となったため、ラストの技枠はちょうはつの採用が確定しました。
(すばやさを高めたことで、遅いトルネロスのあまごい@メンタルハーブに勝てなくなりましたが、Day1では当たらないだろうということで割り切りました。結果、Day1で3回当たりました(ペリッパーも入ってるひろきんぐさんをガンメタした人にはボロ負けしたけど、それ以外はなぜか勝った))。
また、パーティ全員が水タイプの攻撃が等倍以上で、にほんばれができないと非常に苦しい試合展開になります。そこで、おんみつマントを持たせてねこだましでの妨害を許さない構成とし、パオジアンやカイリューに一回の行動保証を持てるはがねテラスでの採用としました。

②ハバタクカミのテラスタイプ

パーティの水耐性があまりにもないので、テラスタイプはみずとしました。水耐性という点で考えるとくさでもよかったのですが、相手のヒードランへの打点を考えて、ラスト1枠はテラバーストを採用することとなったので、みずに落ち着きました。

③クレセガチグマ

クレセリアについて、基本的にはこの2匹で完結しているため、セットで選出します。この2匹(特にガチグマ)はトリックルームができないと置き物となってしまうため、トリックルームは是が非でもできる構成としておきたいです。そこで、bo3オープンシートではあまり見ないメンタルハーブを採用することにしました。オープンシートで相手のちょうはつ持ちがわかるので、メンタルハーブが不要という声もわからなくはないですが、相手のちょうはつ持ちと対面するだけでサイドチェンジ択が発生するのは使う側も苦しいので、、
ガチグマのすばやさはおいかぜ要素もあるのでいじっぱりS振りに見えるかもしれませんが、ゆうかん最遲としました。ガチグマミラーでガチグマを選出することになるため、トリックルーム下で最悪同速対決できるように最遲としました。ガチグマミラーを意識したすばやさに設定したので、テラスタイプもゴーストとし相手のからげんきをすかす構成にしました(元々フェアリーテラスにして、悪ウーラオスに強く出れる構成をしていましたが、ぽちゃオフのガチグマミラーで苦しい展開になったので、ゴーストにすることになりました)。
ガチグマの最後の1枠の技はつるぎのまいにしました。昔はビルドアップで使っていたこともありましたが、ビルドアップだといかくサイクルにおいつかないことが気になり、つるぎのまいで火力を確保することにしました。

 

【構築ver0.3】

トルネロスおんみつマント、テラスタイプ:はがね、S168の耐久振り
おいかぜ、ちょうはつ、にほんばれ、こがらしあらし

ヒードランいのちのたま、テラスタイプ:フェアリー、S103

まもる、ねっぷう、だいちのちから

ハバタクカミ@こだわりメガネ、テラスタイプ:みず
テラバースト、ムーンフォースシャドーボールマジカルシャイン

ウーラオス(悪)きあいのタスキ
みきり、ふいうち、インファイト、あんこくきょうだ

クレセリアメンタルハーブ、テラスタイプ:フェアリー
トリックルームムーンフォース、サイドチェンジ、みかづきのいのり

ガチグマ@かえんだま、ゆうかん最遲、テラスタイプ:ゴースト
まもる、じしん、からげんき、つるぎのまい

(5)最終調整

ヒードランの技

ヒードランのラスト枠は、ソーラービームとラスターカノンで迷っていました。ラスターカノンを入れるとハバタクカミに強力な打点になります。カ・エールさんやいけちゃんからはラスターカノンを薦められましたが、最終的にはソーラービームを選択しました。ラスターカノンは、相手のみずテラスを切られたハバタクカミに渋いので、意外と通らないと感じたのと、相手のみずテラスタル(特にモロバレル、テツノカイナ)への打点です。相手にみずテラスタルを切られた段階で、エースであるヒードランが打点を持てなくなるのが渋いため、ソーラービームは切れませんでした。この構築はおいかぜよりもにほんばれを重視している構築であるため、ソーラービームを扱うことについては、そこまで抵抗感がなかったです。

②ハバタクカミの配分

ハバタクカミはHBを高めた上で残りはすばやさを高めた方が強いと考え(行動回数を稼ぐこと)、おくびょうSブーストで使っていました(ぽちゃオフ、てるチャレではおくびょうで使用)。大会直前にカ・エールさんとフレ戦をした際にCブーストの方が強い、とアドバイスをもらったので、土壇場ではありますがCブーストに変更をしました。Sブーストだと、おいかぜなしでハバタクカミが加速できるので、一長一短だと思います。

③ウーラオスのテラスタル・配分

ウーラオスは元々きあいのタスキは持っているものの、どくテラスで運用していました。きあいのタスキが削れた後でも相手のフェアリー弱点を耐えたい場面があったからです。しかし、きあいのタスキどくテラスを見たカ・エールさんがあり得ないと言っていたので、あくテラスに変更しました(
あくテラスで火力リーチが伸びるため、対合体ヘイラッシャ等に圧力をかけることができて強かったです。

 

【構築(WCS使用ver)】

トルネロスおんみつマント、テラスタイプ:はがね、S168の耐久振り
おいかぜ、ちょうはつ、にほんばれ、こがらしあらし

ヒードランいのちのたま、テラスタイプ:フェアリー、S103
まもる、ねっぷう、だいちのちから、ソーラービーム

ハバタクカミこだわりメガネ、テラスタイプ:みず、Cブースト
テラバースト、ムーンフォースシャドーボールマジカルシャイン

ウーラオス(悪)きあいのタスキテラスタイプ:あくいじっぱり
みきり、ふいうち、インファイト、あんこくきょうだ

クレセリアメンタルハーブ、テラスタイプ:フェアリー
トリックルームムーンフォース、サイドチェンジ、みかづきのいのり

ガチグマ@かえんだま、ゆうかん最遲、テラスタイプ:ゴースト
まもる、じしん、からげんき、つるぎのまい

3.個別解説

使用した配分はWCSで使ったものです。
オフ会で使用したものは配分が微妙に異なります。

トルネロス


とくせい:いたずらごころ
せいかく:おくびょう
実数値 :185(244)-×-101(84)-146(4)-101(4)-168(172)
わざ  :おいかぜ、ちょうはつ、にほんばれ、こがらしあらし
もちもの:おんみつマント
テラス :はがね
【調整】
・HB:A200ウーラオスのタイプ強化アイテムあんこくきょうだ耐え
・HD:C187こだわりメガネハバタクカミのムーンフォース耐え
・最速100族(イーユイなど)抜き
【雑感】
・構築の司令塔兼ヒードランのサポーター。ヒードランとともに非常に高い選出率を誇ります。
・おいかぜパーティのように見え、実際においかぜも多く押しますが、一番重要なのはにほんばれです。にほんばれによるヒードラン&ハバタクカミの火力増強、相手のウーラオスのすいりゅうれんだの火力軽減など攻防一体の役割がある技で、非常にバリューが高いです。
・すばやさは相手のウーラオスを重くみて、最速ウーラオスは最低抜くような素早さ設定をしたいと考えました。最終的にはその上の100族のイーユイまで抜くことにしました。環境のトルネロスはSが余り速くないことが多そうに見受けられたので、まずは同速勝っている前提で動かすことにしました。残りは総合耐久が伸びるように耐久を振り分けました。トルネロスで相手のウーラオスをこがらしあらしでワンパンしたい場面は余り訪れない(基本はにほんばれをする)ため、Cは無振りでも問題なかったです。
・手動晴れトルネロスを考える上で、あまごいトルネロスのミラーは考えないといけない問題です。すばやさの考察の通り、トルネロスミラーの素早さは勝っている前提で考えていたため、動きとしてはメンタルハーブが見えていない場合、あまごいがある場合はちょうはつであまごいを止めるあまごいがない場合はにほんばれかおいかぜをする、と決め撃ちをしていました(遅いメンタルハーブ+あまごいは切り気味で考えていました)。
・もちものはおんみつマントを一貫して使い続けました。パーティの水耐性がにほんばれに依存している以上、ねこだましでにほんばれを止められるわけにはいきません。そのため、おんみつマントの採用し、初手から積極的ににほんばれができる構成としました。おんみつマントはミラーのこごえるかぜやこがらしあらしの追加効果をシャットアウトできる点も精神衛生上良かったです。採用は間違っていなかったと思います。
・おんみつマントの採用をした以上、ゴーストテラスである必要はなく、相手のパオジアンのつららおとしやカイリューしんそく耐性を得るためのはがねテラスタルとしました。トルネロスは2回動けるだけでも仕事した、と言えるので、行動チャンスを買えるはがねテラスはいい選択だったと思います。

ヒードラン

とくせい:もらいび
せいかく:ひかえめ
実数値 :195(228)-×-126-198(236)-126-103(44)
わざ  :まもる、ねっぷう、だいちのちから、ソーラービーム
もちもの:いのちのたま
テラス :フェアリー
【調整】
・C:11n
・S:おいかぜ下でハバタクカミ、パオジアン抜き
・耐久:余り
【雑感】
・今回の構築の主軸です。このポケモンから構築を組みました。ヒードランの処理をウーラオスに依存している構築が多いことを想定し、そこへのカウンターとして、フェアリーテラス+にほんばれで両ウーラオスと五分以上に渡り合えることを目指しました。
ヒードランは独自の耐性・耐久力で盤面に居座って攻撃回数を稼いでいくことが魅力であるポケモンであること、パーティにトリックルームを採用したことからHCベースで考え、Sは最低限のおいかぜ下ハバタクカミ、パオジアン抜きに留めました。テツノツツミと同速ですが、くさテラスではないのでこおり技が痛くない点、にほんばれでみず技は受け切れる点、そもそもSブーストが多くSを+1しても抜けない場面が多い点からわざわざ抜くことはしませんでした。
・技はまもる、ねっぷうは確定で、残り2枠ですがだいちのちからは必須と判断しました。ヒードランミラーでヒードランを触る権利がないのはあまりに不愉快なので、相手のテラスを強制する意味でもだいちのちからは必要でした。残り1枠はラスターカノンとソーラービームの選択ですが、構築経緯にも記載した通り、みずテラスへのカウンターとしてソーラービームを採用しました。ウーラオス相手は最悪ねっぷう2発で倒すのでどうでも良いのですが、モロバレルやテツノカイナにみずテラスを切られた時に打点がなくなるのが納得いかず、ソーラービームを採用する運びになりました。
・持ち物はいのちのたまです。いのちのたまを持ったエース運用をすることで、大体のポケモンを2確圏内に押し込め、後発のハバタクカミに繋げられます。相手によってはトルネロスヒードランでおいかぜ&にほんばれ+ねっぷうしているだけで相手を殲滅できるくらい強いポケモンで、病みつきになります。
ヒードランを採用することで、たまに当たるコータスにも抵抗できる点がgood。特性+フェアリーテラスも相まって、トルネロスヒードランは多くの相手に裏目が少なく初手置きしやすい組み合わせで、選出ミスが減ったのが今回の結果に繋がったと思います。

ハバタクカミ


とくせい:こだいかっせい
せいかく:ひかえめ
実数値 :159(228)-×-90(116)-176(36)-156(4)-171(124)
わざ  :テラバースト、ムーンフォースシャドーボールマジカルシャイン
もちもの:こだわりメガネ
テラス :みず
【調整】
・H:16n-1
・HB:A200パオジアンのつららおとしが乱数6.25%
・C:11n
・S:余り(最速100族抜き+α)
【雑感】
・構築のスイーパーとして起用しました。CS135からマジカルシャインを連打できるのは非常に強いですね。
・この構築は水耐性がにほんばれに依存しているため、少しでも他で水耐性を確保できるよう、フェアリーテラスタルではなく、耐性テラスを選択することにしました。
・最近だと草テラスタルも流行っていましたが、今回は相手のヒードランへの打点を重くみて、水テラスタル+テラバーストを採用することにしました。乱発はしませんが、ここしかない、という場面でピンポイントで一本拾えるのが使用感として良かったです。
・元々、Sブーストで国内オフ会で使っていましたが、直前のカ・エールさんとのフレ戦でCブーストにした方が強いと言われ、Cブーストに変更しました。Sブーストだとにほんばれが実質擬似おいかぜになる点が偉く、Cブーストだと最後のスイープ力の押し込みが強くなります。どちらが正解かは、環境次第だと思いました。

ウーラオス(一撃)

とくせい:ふかしのこぶし
せいかく:いじっぱり
実数値 :175-200(252)-120-×-81(4)-149(252)
わざ  :みきり、ふいうち、インファイト、あんこくきょうだ
もちもの:きあいのタスキ
テラス :あく
【雑感】
・ウーラオス枠。僕は逆張りおじさんなので、みんなが水ウーラオスに流れたので悪ウーラオスを使いました。ハバタクカミにワンパンされることで選出機会が減ることがあってはならないため、もちものはきあいのタスキ一択でした。ハバタクカミの前で後ろ向きな防御テラスをあんまり切りたくないですし、、
・構築上にほんばれと水ウーラオスがアンチシナジーな点もあるので、この構築では悪ウーラオスの選択で間違いなかったと思います。
・悪ウーラオスを採用した他のメリットとして、対ヘイラッシャ+シャリタツの対処に余裕が生まれる点、対ガチグマのゴーストテラスタルにリスクをつけられる点が噛み合っていました。ガチグマ構築には、後発にウーラオスとガチグマを置いて、相手のゴーストテラスを強要しつつ、ウーラオスで刈り取ることを心がけていました。

クレセリア

とくせい:ふゆう
せいかく:おだやか
実数値 :227(252)-×-152(172)-96(4)-176(76)-106(4)
わざ  :ムーンフォース、サイドチェンジ、トリックルームみかづきのいのり
もちもの:メンタルハーブ
テラス :フェアリー
【雑感】
・多分、見た人の多くがオープンシートでメンタルハーブは弱いと思っていると思うのですが、その意図を解説します。この構築においてクレセリアを選出するタイミングはガチグマとセットで出す時のみです。ガチグマを選出する際にトリックルームを張ることができないのは非常に苦しいため、トリックルームをはれることに特化した持ち物を選定する必要がありました。トリックルームの妨害要素として、モロバレルのキノコのほうしと有象無象のちょうはつのどちらを優先するかですが、有象無象のちょうはつをケアすることにしました。メンタルハーブがないと、相手のちょうはつトルネロスをみただけでクレセリア+ガチグマ選出を渋ることになり、それは避けたいと思いました。モロバレルであれば、ヒードランのねっぷう、水テラスタル後はソーラービームトルネロスのちょうはつといなす手段はいくらでもあるので、メンタルハーブを採用しました(てるフェスの時にメンタルハーブじゃないクレセリアを使ったことで、相手のちょうはつが想像以上にきつくて負けに繋がったのも、メンタルハーブの採用を踏み切った理由の一つです)。
・技構成はオーソドックスな4つを選択しました。サイドチェンジがないと相手の読みが楽になるのが嫌だったので、切れませんでした。。
なお、世界大会では自分のサイドチェンジを相手が読むかどうかの択ゲーがいっぱい発生し、概ね負けていたので本当に萎えました(

ガチグマ

とくせい:こんじょう
せいかく:ゆうかん
実数値 :237(252)-198(156)-125-×-113(100)-49(S個体値0)
わざ  :まもる、じしん、からげんき、つるぎのまい
もちもの:かえんだま
テラス :ゴースト
【調整】
H:ぶっぱ
A:11n
D:余り
【雑感】
・基本、BO3の3本目に急に裏に選出して相手を驚かせるための奇襲用ポケモンです。みんなポケモンが上手なので、ガチグマに隙を見せる構築を使ってくれません、、
相手から見ると、おいかぜかトリルどちらで来るか分かりにくいと思うので、選出圧力が一番の仕事だったとも言えます(
・おいかぜ要素があるのに最遅である理由ですが、相手のガチグマミラーにて、トリックルーム下で同速ゲーを仕掛けるための選択です。ガチグマミラーは初手:トルネロスヒードラン、裏:ウーラオス+ガチグマで、非トリックルーム下ではウーラオスでガチグマを倒し、トリックルーム下ではガチグマの同速対決を仕掛ける意図です。
一応トルネロスを選出しているので、よほど早くなければ、なおかつ相手にトリックルーム要素がなければ最遅でもおいかぜさえすればガチグマの素早さ勝負に勝てるので、最遅で良かったかなと思います。

4.選出例

今回は相手に対しての決めうちはあまりしていないので、基本選出例の紹介に留めます。

(1)基本選出①(おいかぜver1)

初手にほんばれかおいかぜをして、ヒードランで荒らしていきます。
ヒードランで荒らしたところをハバタクカミとウーラオスで回収していきます。
この選出が最大パワー選出だと思います。
先発:
後発:
ラスタル

(2)基本選出②(おいかぜver2)

相手のパオジアン+カイリューなどは、以下の選出をすることがありました。
パオジアン相手に確実に一回動きたい時は、トルネロスにテラスを切ることがありました。
また、相手のイーユイやヒードランに魂のみずテラバーストをするときもこの選出をします。
おいかぜとにほんばれをして裏のヒードランに繋いでください。
先発:
後発:
ラスタル or or

(3)基本選出③(スイッチトリパ)

サポート2匹選出です。この選出をする場合、特においかぜよりもにほんばれを押すことが多いです。ヒードランで2匹、ガチグマで2匹持っていくイメージです。クレセリアトリックルーム展開を阻害してくるポケモンヒードランで倒して、ガチグマで2匹持っていきます。
クレセリアに強いハバタクカミ、イーユイのようなポケモン、ガチグマに強いウーラオスモロバレル、ゴリランダーなどはヒードランで返せます。
基本、BO3の3試合目に急にガチグマをぶつけにいきます。みんなガチグマに強そうな構築の見た目をしているので、初戦からはやらないことが多いです。
先発:( or or)
後発:
ラスタル

(4)基本選出④(初手トリル展開)

滅多にやらない選出です。ガチグマで序盤荒らしつつ、後発ヒードランで抜いていきます。初手のガチグマが弱いので、本当にどうしようもない時などにやってみてください。
先発:
後発:( or or)
ラスタル

 

5.最後に

初めてのWCSでDay2進出できたことは本当によかったです!
Day2進出という目標に対し、オフ会や対戦機会はできるだけ参加し、練習回数を積むことができたことが今回の結果に結びついたのだと思います。一方で、Day2はプレイング、構築だけでなくメンタル面にも大きな壁を感じ、Day2のレベルに追いついていなかったことを痛感しました。今年一年の取り組みで、プレイヤーとしては大きく飛躍できたと思うので、来年はDay2トップカットに進出できるよう、さらに頑張りたいと思います。
また、WCSで応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました!

6.スペシャルサンクス

・いけちゃん(@ike_poke)
…サポート本当にありがとう!一緒に構築を使って練習できて本当に良かった!来年は一緒にハワイ行こう!!
・カ・エール(@hirosipoke)
…ハバタクカミのCブーストでDay1実際どの程度拾えたか余り記憶にないが、構築の見た目上もCブーストの方が強く見えるのでこれで良かったと思います、フレ戦とアドバイス(と世界大会当日のメンタルケア)ありがとう!Day2トップカットもおめでとう!!
・grand(@take_grand)
…フレ戦や構築アドバイスありがとう!直前でガチクレセを本当に使うか迷ってた時に最後背中を押してくれて、自信を持ってガチクレセで挑めました!
・oMi(@Raito_star)
…ぼさんないとの開催本当にありがとうございました!ぼさんないとがなければ、Day2進出はおろかDay1勝ち越しすらできなかったと思います。貴重な練習の機会を提供くださって、本当に感謝しても感謝しきれません。